第463話 ■分かりにくさの原因
森君は相当往生際が悪い。辞めるのか辞めないのか、もっとはっきりと分かりやすく示して欲しいものだ。しかし、それ以上に不思議でしょうがないのは、マスコミの反応である。党の五役に総裁選の繰り上げ実施の意向を伝えただけのことを、どうして辞意表明と解釈できるのだろうか?。
各マスコミは「事実上の辞意表明」などと言っているが、ちょっと苦しくないか?。希望的観測でやや先走りして「辞意表明」が間近であることを報じていたがために、強引にそう言い続けるしかないような気もしてくる。本人も、またその会議に参加した人々も誰も退陣表明などとは言っていない。「マスコミが書いただけ」と言うのが、本人の弁である。
それでは肝心の前倒しされた総裁選はいつ行われるのだろうか?。これから協議して決めるらしい。彼やその取り巻きの動きが分かりにくいのは毎度のことであるが、今回の辞意表明にまつわる分かりにくさはマスコミに責任がある。「事実上の辞意表明」、「来月退陣」と報じるからにはそれなりの根拠があってのことだろう。それをもっと、鮮明に報じるべきである。各紙での記事に目を通してみたが裏付けとなるような記述は見つからなかった。報道内容の分かりにくさを政治の混乱とごちゃ混ぜにし、その矛先を総理周辺へと向けるのはごまかしとしか言いようがない。
(秀)
-
前の記事
第462話 ■ペイデイ 2001.03.12
-
次の記事
第464話 ■HEROの条件 2001.03.14