第581話 ■大失業時代

 7月の完全失業率が5%に達し、過去最悪の状況であることが報じられている。「完全」があるなら、「不完全」があるのか?、と勘繰ったりするが、それはさておき、5%というのは40人学級で半分が男の子なら、その20人のうちの1人が失業しているということになる。もちろん、そんな人が同窓会に出て来ることは稀だが、今年の高校の同窓会の出欠の返信葉書に「ただいま求職中」というクラスメイトがいた。彼は国内大手コンピュータメーカーの名前を冠したその関連企業で働いていたはず。

 世間一般でも見られる昨今の給与体系や雇用制度の変更の行き着く先は、やはり労働市場の流動化、とりわけリストラでしかなかった。リストラという言葉は卑怯だ。正直に「首切り」と言え。でないと、経営者の責任が曖昧に感じられる。折りからのIT不況で、大手家電産業なども大幅な首切りを敢行すると発表している。政府が来年度予算でIT関連の政策の振興を発表した直後にこの有り様では、政府の思惑は焼け石に水だし、この分野の雇用の下支えにも役立っていないことが露呈した。

 ところで、公的資金の導入まで受けた銀行業界はどうなのだろうか?。「省庁改編」と言って、組織を合理化したはずの公官庁にその効果は出ているのだろうか?。「痛みを伴う『構造改革』」、「我慢して欲しい」。ところが、小泉総理は具体的にまだ何もやっていないぞ!。

(秀)