第603話 ■ミスターの一番長い日
前回のコラムで「長嶋監督の辞任」と書いたら、その日のうちに彼が早々に辞任を発表してしまった。あまりものタイミングに我ながら驚いている。このとき、懸案のニュース速報がテレビのテロップとして流れたかどうかは未確認。お気づきの方はご一報を。
そして30日はジャイアンツの本拠地での今期最終戦(本当の今期最終戦は甲子園球場での阪神戦)。長嶋監督のドームでの最後の試合であった。辞任発表がなければ、ほぼ消化試合だったはずが、テレビで見た限り、ドームは満員。この日のチケットはダフ屋などで高値を呼んでいたようだ。視聴率はどうだったろうか?。しかし、多くの期待とは裏腹にゲームは惨敗。日頃野球中継嫌いの私もこの日はテレビで見ていたが、あまりもの選手のふがいなさに腹が立ってテレビを一旦消した。しばらくの後、再度点けると、その差は更に大きく開いてしまっていた。
最後のドーム戦ということで、テレビでの中継はいつになく長嶋シフトを敷いている。CMの前後では往年の名シーンを流す一方、いつも以上にベンチの監督の姿が画面に大写しになる。しかし、その表情が何とも言えず堅い。いや、苦渋に満ちている。あんなゲーム内容では仕方ないことだろう。苦虫を噛み潰したような顔だ。私がテレビを消した理由はこんな姿を見たくなかったからでもある。
ところが一転、試合終了後のワイドショースタイルの番組に出演していたミスターはいつもの笑顔でとても雄弁だった。試合終了後に行われた引退セレモニーをニュースショーで見たが、ここでもいつもの笑顔であった。ちょっと救われた。ところで、「電波少年」が一向に始まらない。突然の辞任発表のため、編成が変わったようだ。ザ・テレビジョン(雑誌)の番組表は役に立たない。お陰で夜更かしをしてしまった。
(秀)
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