第844話 ■恐竜博に行きたいけれど

 幕張メッセで開催されている「世界最大の恐竜博2002」が大人気らしい。夏休みは連日、親子連れが海浜幕張駅を埋め尽くしたかと思うと、今月になっても休日はこの勢いが衰えず、単日の最大入場者数記録を今月になって更新している。新聞報道によると昨日が今現在の単日最高記録で約3万6千人。入口では2時間以上の入場待ちまで出たらしい。

 実はその昨日に私は長男を連れてこの恐竜博に出かけるとところだった。しかし、折りしも小雨がパラつき始め、翌週へと延期。今朝になって昨日が雨にも関わらず、大盛況&入場待ちの事実を知って、喜んで良いのやら、複雑。来週に延期したものの、会期末とあってさらに混雑するかもしれない。

 それでもまあ、これほどの規模の展示会がこれから先、それほど催されるはずもなく、子供も見たいと言うし、せっかくの機会だからと思っている。田舎に住んでいたらそれこそ見ることはできなかっただろう。田舎に住んでいるとなかなかこのようなイベントに接することができない。雑誌でいろいろと情報は提供されているが、首都圏が主である。怪獣や怪人に攻撃されてもこんな田舎なら正義の味方も助けに来てくれないだろうと思っていた。また、怪獣や怪人もこんな田舎には攻撃してこないだろう、とたかをくくっていた。

 小学1年のときに「世界の爬虫類展」なるものが私の住む街にやってきた。頼んだはずはないのだが、父に連れられて見に行った爬虫類展は、途中大きなニシキヘビを入れたところにガラスを置いて、そこを通路として、ガラスの上を歩かせるコーナーがあった。とても怖くて、その前後に何が展示されていたかを忘れてしまうほどインパクトが強かった。友達と話をしても、「あのヘビの上歩くの怖かったよな」、「うん」と、この話題しか出てこない。

 親にとってはせっかくの爬虫類展も息子にとってはニシキヘビの上を歩いたことしか覚えていない。恐竜博はどうだろうか?。「人が多くて大変だったね」しか覚えていなかったら悲しいなあ。

(秀)