第873話 ■ブラックホール
- 2002.10.30
- コラム
ホールと言っても、宇宙空間にぽっかりと穴が開いているわけではい。星がその寿命を終えると、爆発したり、収縮したり。そして一部はより小さな体積の天体へと形を変える。そしてその天体の密度はとてつもなく大きくなる。天体を構成している物質の密度が大きくなるということは、その天体の重力が大きくなるということだ。
例えば地球上でジャンプして跳び上がれる高さよりも、月面でジャンプした方が高く跳べる。それは誰もが知っていることで、地球の重力よりも月の重力が小さいからである。まあ、いずれもすぐに地面に落ちてしまうので、その重力に逆らって、その力が及ばない空間に飛び出すために、ロケットを打ち上げると仮定しよう。重力に逆らって推進力を維持するため、重力が大きいほど、推進力も大きくないといけない。ジェットエンジンがどれくらいまでの重力に抗して推進できるのか知らないが、重力が極めて大きな天体からはロケットの推進力でもその重力から逃れられないことになる。
星が宇宙空間で光って見えるのは、その天体自らが光っているか、他の星からの光を反射しているからだ。自ら光っていなくても、光って見えると言うことは、反射した光がその天体の重力に抗して、宇宙空間に飛び出しているわけだ。ところが、この重力がもっともっと大きくて、ロケットどころか光でさえその天体を離れることができなくなると、その天体は光らない。光らないどころか一切見えなくなる。
これがブラックホールのからくりである。見えもしないのに、どうしてその存在がわかるのか?。それはその周りの空間から光や電波などを吸収しているところがある、という推論によるものだ。ちょっとした理科の話。
(秀)
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