第910話 ■サンタさん、見っけ!
- 2002.12.24
- コラム
イブの晩、いつもより早く家に帰ると、予定通り宅配ピザが食卓に鎮座ましましていた。私が家に帰り着く約30分ほど前に届けられたものらしい。以下そのピザが届いたときの話。
私のマンションのはす向かいの部屋に来春小学一年生になる男の子が住んでいる。彼はピザが我が家に届いたときにちょうど部屋のドアを開けて、我が家の玄関先を見ていたらしい。「ねえ、その人、誰?、誰?」とその少年は私の家人に尋ねたらしい。そして、途端に彼の家の中から「いいの。関係ないの」という母親の呼ぶ声がして、中に連れ去られたらしい。
ご存知の通り、この時期のピザ屋の配達員はサンタの格好をしている。彼の部屋のドアの位置から我が家の玄関を見ると、見えるのは配達員の後姿である。バイクではヘルメットを被ってくるので、そのとき配達サンタが例の帽子を被っていたかどうかは分からないが、赤い服を着た後姿はサンタに違いない。
隣の家に来たから、次は僕の家だ!と、わくわくしたことだろう。僕の家には煙突がないけど、ああやって、サンタは玄関からやって来るんだ、とも。いつもは寝ていて会えなかったけれど、今年は発見した。けど、隣に来るサンタとうちに来るサンタは違うのかな?。坊や、今どきのサンタは電話で呼ぶとバイクでやって来るんだよ。
(秀)
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