第922話 ■アンパンマン的共産主義
- 2003.01.15
- コラム
子供向けのアニメ、「それいけ!アンパンマン」についてが今日の話題。小さい子は総じてこの番組やアンパンマンをはじめとしたキャラクターが大好きだ。「アンパンマン」という名前の母音が「あ」でそれに「ん」と、極めて単純な音の構成で、小さい子にも比較的容易に発音できることも親しみやすい要素の一つだと思う。
ストーリーはいつも単純。悪、ばいきんまんに対するアンパンマンをはじめとした正義のヒーローとの戦い。途中、アンパンマンは顔が濡れるなどの原因で力がなくなり、一時的に苦戦を強いられるが、新しい顔に差し替えることでパワーは元通りになり、そして決まってばいきんまんはいつもやられてしまう。ここに、やられても耐え忍び、最後には華々しく逆転する、かつての力道山やガメラのように日本人が好むヒーロー像が織り込まれている。
不思議なことにアンパンマンはものを食べない。カレーパンマンや食パンマンは食事をしているシーンが登場しているが、アンパンマンはジャムおじさんやバタコさんが食事をしているテーブルに同席していても、彼の席の所には何の食べ物も用意されていない。彼は何を食べて生きているのだろうか?。
これ以外にもこのアニメにはいろいろと不思議なことは尽きないが、もう一つ挙げるとすれば、それはこのアニメにはお金が登場しないことだろう。毎回登場するキャラクターの多くは食べ物に関わるものだが、彼らはすすんでのこの食べ物を仲間達に施す。まるでそれが楽しみであるかのように施すが、代金などは一切受け取らない。まるでこのアニメの世界は共産主義の世界だ。金銭授受のいやらしさを子供達から隠すためか、それとも作者が理想郷として描くための結果としてそうなったのか?。私に知る由もない話であるが。
(秀)
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