2001年7月

2/3ページ

第550話 ■秘密のデート(5)

(初の短編小説に挑戦。5話完結。その最終回)  結局、彼女の消息は掴めないまま、その年の夏は終わってしまった。  彼女について知っていること言えば、携帯の番号とメールアドレス。それに、「山本江利子」という名前だけでしかない。探偵を使って調べ […]

第549話 ■秘密のデート(4)

(初の短編小説に挑戦。きっと、5話完結。その第4回)  沈痛剤のせいだろう、どうやらしばらく眠ってしまったようだ。病室には自分しかいない。枕元には着替えの入った紙袋と加奈子のお気に入りの熊のぬいぐるみが置いてあった。「忘れて行きやがって」、 […]

第548話 ■秘密のデート(3)

(初の短編小説に挑戦。たぶん、5話完結。その第3回)  彼女と私の共通点はサザンオールスターズが好きなことだった。去年の茅ヶ崎ライブの話では大いに盛り上がった。まだ二人が知り合う前であったが、同じ会場で同じ感動を共有していたことで急に親近感 […]

第547話 ■秘密のデート(2)

(初の短編小説に挑戦。たぶん、5話完結。その第2回)  「大丈夫、大丈夫なの?」。  妻は私の顔と医者の顔を交互に、今にも泣きそうな目で見ている。このときの妻の慌てぶりは、後にも先にもこのとき限りであった。実家から戻って、病院からの留守電を […]

第546話 ■秘密のデート(1)

(初の短編小説に挑戦。たぶん、5話完結)  おぼろげに目が覚めていくにつれ、体のあちこちの痛さが伝わってくる。いや、この痛さで目が覚めたのかもしれない。記憶の糸をたどっていくと、ハンドルを握っていたところまでは覚えているが、それ以降は全く覚 […]

第545話 ■フリーマーケット、もう1つの効果

 プレゼントがそもそものブームの発端だったと思うが、あの「家庭用生ビールサーバ」、あなたの家にもあるだろうか?。単にプレゼントではなく、デパートなどでも普通に売られるようになった。あいにく私は家で酒を飲むことないので、我家にはない。けど、ち […]

第544話 ■大人の七夕

 今宵7月7日は七夕。1年に1度、彦星と織り姫が天の川でデートをするというロマンティックな夜である。「笹の葉さらさら」。ところで、他人のデートにかこつけて、笹竹に短冊の飾りものをして、なおかつ願い事までかなえてもらおうという儀式はいったい何 […]

第543話 ■抜き打ち?!

 「はーい、それでは教科書しまって。これからテストを行う」。「え~っ!!!」。「日頃からちゃんと復習していればできるはずだ」。ざっと、こういうのが正しい抜き打ちテストの作法である。抜き打ちとは概ねこうである。持ち物検査も強制捜査も抜き打ちだ […]

第542話 ■今期ドラマ展望(1)

 7月になって、新しいドラマがスタートしている。有力な出演者や脚本家といった、話題性ではちょっとおとなしい気もするが、なかなか面白いドラマが今四半期には見られそうである。以下に、私がこの2日間で実際に目にしたドラマの寸評をまとめてみた。   […]

第541話 ■有料廃棄

 マンションの2軒先のお隣さんの所に、先日冷蔵庫が配送されて来たらしい。テレビで盛んにCMを流している、最新機種だったようだ。この手の話は妻からよく聞かされる。誰々さんが、家を買って引っ越した。誰々さんが、車を買い換えた。こんな話のバリエー […]