第541話 ■有料廃棄

 マンションの2軒先のお隣さんの所に、先日冷蔵庫が配送されて来たらしい。テレビで盛んにCMを流している、最新機種だったようだ。この手の話は妻からよく聞かされる。誰々さんが、家を買って引っ越した。誰々さんが、車を買い換えた。こんな話のバリエーションの1つだと思って、軽く聞いている。「今時分壊れて、大変よねー」。かつて我が家でも2年前の夏場に冷蔵庫が壊れて買い換えた。長男がちょうど熱を出して、氷ができないからコンビニに買いに行ったりと大変だった。そんなことを思い出してるんだなあ、と思った。

 「大変よねー、もっと早く壊れれば、壊れた冷蔵庫の引き取りも安かったのに」。あれ?!、彼女の関心は違っていた。家電リサイクル法の実施で家電品の引き取りと廃棄に金が掛かるようになったことが彼女の話の最も重要なポイントだったらしい。「捨てるのにもお金が掛かって、やだ、やだ」。「(お前を捨てるのが最も金が掛かりそうだ)」とは、決して口に出しては言えない。

(秀)