(秀)

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第28話 ■ウルトラマンになれない少年

 裕太郎くん、当時4才の将来の夢は、地球防衛隊の隊員になることだった。しかし、その夢はその後たびたび入れ変わり、その年の幼稚園の誕生会では講堂の壇上で「大きくなったら、ミュー(ポケモン)になりたいです」と発表し、お父さんをがっかりさせた。し […]

第27話 ■プロを目指す

 これは田舎の楽器屋に限ったことではないだろうが、楽器店の掲示板に貼ってあるバンドのメンバー募集の掲示には笑わせられる。募集したいパートや好みの曲に関する情報の他に、「テク重視」や「プロを目指す」なんてフレーズが恥ずかしげもなく並んでいたり […]

第26話 ■カースケの生き方

 「俺たちの旅」というドラマが好きだった。’75年当時、日本テレビで放送されていた。青春ものではあるが、学園ものではなく、就職前後の青年達のドラマである。原作は鎌田敏夫。主人公は中村雅俊。役名は津村浩介で、すぐに「カーッ」となるところから、 […]

第25話 ■ラーメン

 九州では「とんこつラーメン」なんて言い方をしない。一部を除いてほとんどの場合がそうであるから、「ラーメン」としか言わない。中華屋はほとんどなく、多くはラーメン屋として商っている。そのため、メニューは至ってシンプル。「ラーメン」、「大盛りラ […]

第24話 ■遥かな町へ

 マンガを卒業してからどれくらいが経つだろうか。就職当時は月曜日となると少年ジャンプを携え、出勤していたものである。それからしばらくして、読む雑誌の嗜好は一変し、金を出してまでマンガを読むことはなくなってしまった。  「遥かな町へ」というの […]

第23話 ■ピロートーク

 私は肩こり性だ。一日中デスクに座って、おまけに電磁波を浴び続けているからなのかは不明だが、慢性の肩こりである。体調が悪いときなどは決まって、肩こりの症状が現れ、風邪のひきかけなどは最も顕著な自覚症状となる。しかし、これが出たときには時既に […]

第22話 ■スカイライン

 スカイラインは独特の雰囲気を持った車である。  そもそもこの車はプリンス自動車という会社が作っていた。それが、昭和41年に日産に吸収合併され、それ以降、日産スカイラインとなったのである。販売会社の日産プリンスはその名残だ。ここで売られてい […]

第21話 ■好みのタイプ

 「好みのタイプは?」という、答に窮する質問がこの世には存在する。「どんな人が好きですか?」というのも同じこと。「好きになった人が好みの人」と答えるしかない。しかし、この答が必ずしも正しくないことを私は知っている。冒頭のような質問をする人は […]

第20話 ■誘惑

 また誕生日を迎えてしまった。芸能人で言えば、浜田雅功、それに泉谷しげると同じ誕生日である。ついでに南こうせつも。今年でゾロ目になった。かつては30歳を過ぎればオヤジと思っていた。30歳になった当初はそうでもなかったが、最近はすっかりオヤジ […]

第19話 ■DCブランドを補正する

 私が就職した当時はバブルの絶頂期で、DCブランド大流行のご時世だった。就職するちょっと前にスーツでも見てみようと、何気なくそのような店に立寄ってしまった。ブランドの名前や詳細な所在地も今では覚えていない。なにしろ田舎なので品揃えも十分では […]

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