第1035話 ■DVDレコーダー
実は我が家のテレビが壊れる10日ほど前、DVDレコーダーを買っていた。もしこれを買う前にテレビが壊れてしまっていたら、今回DVDレコーダーを買うには至らなかっただろう。まさに人生はタイミングだ。そもそもDVDレコーダーを買う気になったのはそれまで使用していたビデオデッキの調子がおかしくなったからだ。しかし不思議とそのビデオデッキは今では何事もなかったかのように前と同じように動いて見せる。もしDVDレコーダーの神というものが存在するとすれば、それは我が家のテレビの寿命をわずか10日ばかり伸ばし、ビデオデッキには不具合の振りをさせてまでも私にDVDレコーダーを買わせたかったようだ。
私が買ったのはDVDだけでなく、HDDも付いたもの。既にHDD+VHSのデッキは持っているため、調子の悪いVHSデッキを買い替えるならHDDレコーダーが便利だし、せっかくなんでDVDレコーダー付きも、という展開でたどり着いた。この選択は間違いではなかったと思ってはいるが、DVD−RやDVD−RAMは結構高く、ビデオカセットのように消費するわけにはいかず、HDDに比べるとDVDレコーダーの出番ははるかに少ない。
一説には早くもVHSデッキよりもDVDレコーダーの出荷の方が上回ったという話が出ているようだが、それは単価が違い過ぎるから台数で見ればまだVHSデッキの方が数倍規模で多いはず。ところでDVDレコーダー(のみの機械)は単独では存在が難しい商品だ。ビデオカセット代わりにDVD−RAMを使用するとなるとメディア代の比較は現状10倍くらい違う。耐用性能が10倍どころではないと言ったところでこの価格差はやはり大きい。また、DVDは保存メディアと意識があっても、DVDレコーダーのみでは分散したディスクの内容を1枚のディスクにダビングしながら編集するようなことはできない。
そこでやはりHDDとのコンビネーションが経済性や実用性では一番効果的な組み合わせで、各社の商品ラインナップもここが中心となる。ところがDVDレコーダーの用途の一つとして既存のVHSテープからのメディアコンバートというのがある。ビデオテープは見なくても経年変化で磁力が弱まって映像が劣化してしまう。残念ながら永年にわたって保存出来るメディアではない。長い時間保存しておくつもりなら、デジタル化、しかもテープではなく、ディスクにしておくのが良い。
基本的にあまり高級でないビデオデッキの出力端子は1組みしか付いていない。そしてそれは通常テレビに繋がれている。よってVHSからDVDにメディアコンバートする際にはコードを繋ぎ変えねばならない。簡単だがいちいちは面倒だ。多分そういう人はVHS+DVDレコーダーのデッキを買えば良いのかもしれないが、これ1台ではDVDメディアの問題やVHSテープの煩わしさからは解放されない。逆に2台目のDVDレコーダーとしての選択肢としてはかなり有効かと思うが。きっと、HDD+VHS+DVDレコーダーという機種が近々出るに違いない。これで10万円くらいだったら、大ヒット間違いなし。
テープの置き場所を考えるとこれらを徐々にDVDにしていきたいと思っている。しかしそれには、コードを繋ぎ変えたり、高速ダビングができないから結構時間が掛かる。面倒くさいものやDVDにしてまで残す必要がないものはこれを機会に捨てるという判断ができれば、それでたまったビデオが片付くというもの。一石二鳥というたとえとはちょっと違うようだが。そういう効果も確かにある。けどVHSデッキがなくならない限り、ビデオテープはその姿のまま残してしまいそうな気がする。それが現実。
(秀)
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