第1081話 ■争点なき馬鹿馬鹿しさ

 果たして今回の総選挙の争点は一体なんだったのであろうか?。「政権選択」と当初野党第一党がぶち上げていたが、そんな雰囲気はさらさら感じられない。勢いが伝わってこない。極めつけはこの民主党による「閣僚名簿」の発表だろう。現実感が全くない。あんな内閣ができたら困ってしまう。彼ら自身の政権取りへの本気のなさを現わしているような気がする。むしろあの発表はマイナスだったと思う。

 話題性は田中長野県知事の「地方主権担当相」ぐらい。しかしこれまた変な話。そもそも「地方主権担当相」とは何ぞや?。知事が兼任できるようないい加減なポストなんだろうか?。それとも知事を辞職してまで専念するのか?。「国会担当相」として岡田克也幹事長というのも意味不明。国会対策は党で行うもので、善しにつけ悪しきにつけ、自民党ではそうやって機能してきた。彼らの案では党の主要メンバーのほとんどが閣僚になっている。いったい党は誰が舵取りをするというのか?。

 他にも変な党は存在する。社民党はひたすら「護憲」を掲げて戦っている。確かに常に重要な話ではあるが、ピントがボケているようにしか思えない。もっと他に語ることがあるだろう。少なくとも世間の多くの人はそれを今回の争点としては判断しないだろう。自民党の郵政事業民営化も多くの国民にはどうでも良いような話だ。それが総理の語る「改革」の中心だとしたら、馬鹿馬鹿しくて付き合っていられない。

 これほどしらけムードの選挙を私は知らない。投票率はまた下がることだろう。おまけに全国的に天気は雨になりそうだし、無党派層や浮動票をあてにしている候補者には厳しい空模様の予定。投票に行く人が少なくなるということが開票速報を見たいと思う人も少なくなるということにつながるとすれば、この日、レンタルビデオショップは繁盛しそうだなあ。

(秀)