第1119話 ■ヒーローショー

 テレビのヒーローキャラクターが子供向けのヒーローショーを行う場合の考察。まず、ヒーローには等身大のものと、巨大ヒーローがいる。前者の代表が仮面ライダーで後者のそれがウルトラマンである。また、ショーのスタイルとしては単に悪者と戦って見せるだけから、その前後の握手会があるものや、握手会だけというパターンがある。サイン会というのもあるが、それはここでは握手会の一部ということで分類する。

 最近はイケメン俳優の効果で母親層にもヒーロー人気が顕著である。しかし、デパートの屋上ごときのヒーローショーにテレビに出ている俳優が現れることはまずない。それでもテレビでの視聴率が良いと集客力も好調である。クウガにアギトに龍騎。実際に「龍騎」と名前を付けられた子どもは喜んで良いものか?。前作は「555」で「ファイズ」と呼ぶ。最新版はブレード。最近はライダーがたくさん出てくる。一体どこまで行くのか、ライダーよ。

 さて、ヒーローショーであるが、握手会と銘打っていながら、多少のサービス精神と言おうか、担当者の遊び心か、突然、握手会に怪人が邪魔をしに現れるパターンがある。これは等身大ヒーローの場合に多く見られる。何の予告もないので子ども達の中にはパニックに陥り、泣き叫ぶ輩も現れる。その横で、怪人に対し、ファイティングポーズを取る子どももいた。

 司会のお姉さんが子ども達にヒーローへの声援を求め、煽る。子どもの声に元気がないとヒーローの力が十分に発揮できないと、さらに煽る。そこで無事怪人をやっつけて(決着がつかずに逃げるパターンが多いが)ヒーローはより一層、格好よく映る。「ライダー、ありがとう」。ライダーはその声に手を振って応える。決して声を出してはいけない。

 戦った直後の握手会というのはちょっと可哀想だ。改造人間ならいざ知らず、あのコスチュームにマスクでは相当辛かろう。手を振りながら、肩で息してた。

(秀)