第116話 ■伝承者

 最近小学1年生の長男に消費税について教えようとしているが、相手が知っている限られた知識の範囲で教えるとなるとなかなか難しい。100円小遣いを渡すとコンビニで額面通りの買い物をしようとするので、10円(5円玉がなかった)余分に渡してもその10円の意味が分からず、レジで10円は手から放さず、お姉さんの「105円です」という声に100円だけ出して凝り固まっていた。半額は「はんぶんのおかね」と理解しているのだが、教えることと理解できることがどうもケチくさい。

 そんな長男もかつてはポケモンという他の生命体になりたいと言ったり、地球防衛軍の隊員になりたいなどと言っていたが、小学校に通うようになってからは多少現実的な判断ができるようになって来た。最近は「ロボット博士」になりたいと言っている。マジンガーZやゲッターロボ等に妙に詳しいオタクのことではない。ロボットを作る博士のことである。「ドラえもんを作る」と言っているので、「ロボコンにしておきなさい」と現実路線への誘導をしている。

 一方、長女の方は3年生である。勉強は苦手な方だが、なかなか味のある作文を書いたりする。「所詮、よその子」と思うだろうが、彼らの存在が読者諸氏にまったくの無関係でもない。私に万一のことがあった場合には彼らが「秀コラム」の伝承者なのだから。現在、ローマ字入力の特訓中。