第1223話 ■リンダ リンダ リンダ

 青春にブルーハーツはよく似合う。映画「リンダ リンダ リンダ」を見た。この映画のポイントは「ザ・ブルーハーツ」の曲の採用に尽きる。ただそれだけであるが、そのことが何事にも代え難い。別に映画の出来が悪い訳ではない。ただこの手の映画の設定にはブルーハーツしかない。ここでまず及第点。彼らの歌は世代を超えて人々を刺激する。

 文化祭で本来オリジナル曲をやるはずだったレディースバンドがギターのケガで分裂。せめてコピーでも文化祭での参加を目指すメンバーらは、抜けてしまったボーカルの代わりにひょんなことから韓国からの留学生をボーカルに迎え、新生バンドとして練習を始める。やる曲はブルーハーツ。本番までは3日。そんなあらすじである。

 別に彼女たちがブルーハーツに対する特別な思い入れがある訳でもない。しかし、たまたま掛けたカセットテープから流れてきた「リンダ リンダ」。彼女たちが生まれる前の曲ながら、「リンダ、リンダー」と歌い、飛び跳ねる。この曲にはそんなエネルギーがある。私もしばしばカラオケで歌う。ハイロウズではいけない。ブルーハーツでなければ。決してうまい訳ではないが、彼女たちの歌には味がある。エンディングで緊張しながらもステージでシャウトするソンちゃん(留学生のボーカル)に拍手。

 この映画を見るために会社の帰りに渋谷まで出掛けた。東京でも現在上映している映画館は2館しかない。こんな良い映画はもっと多くの映画館で上映するべきだ。さて、サントラ盤を聴きながら、終わらない歌を歌おう。

(秀)