第530話 ■ビックカメラに行って来た

 ビックカメラ有楽町店に行って来た。しかもオープンから連日。そごう有楽町店舗跡がそのままビックカメラ有楽町店(パソコン売場は「ビックピーカン」として、名前としては分かれている)としてオープンしたのは6月14日。早速、開店当日の会社の帰りに寄って帰った。当日は雨にも関わらず、店内は多くの人で溢れているし、レジにも長蛇の列ができていた。翌日のニュースでは50万人の人出と報道されていた。ちょっとした地方都市の人口並みである。一緒に行った連れと「上の階から順に見ながら降りてこよう」と約束して、6階の時計売場にたどり着いたまでは良かったが、その1分後、私がブルガリの呪縛から我に返った時にはすでにはぐれてしまっていた。レジの行列に圧倒され、結局この日は何も買わずに帰った。

 翌日も会社帰りにビックカメラ有楽町に寄った。前日よりは若干人出は少なくなったようだが、雨にも関わらず、店内は相変わらず、多くの人でごった返している。エスカレータに頼らず、階段を使用すれば移動がすんなりいくことを発見。広告に出ていた日替わり特価品のWindowsCEのノートパソコンの前でしばし立ち止まる。67,800円と破格値であるが、1つ前のモデルで、OSも古い(WindowsCEはOSのバージョンアップができない)。昨晩はずいぶん悩んだし、この瞬間も「自分が買うために残っていたのだ」と思ってはみたが、結局見送る。地下売場で頼まれていたアイロンを買って帰る。

 その次の日は土曜日で用があったため行けなかったが、日曜日にまたビックカメラ有楽町店に出かけた。この日は広告に載っていたデジカメを買うつもりであった。これまた現行機種ではないが、かなりの特価品である。しかし、駅に着くや気持ちは萎えてしまった。入店するために多くの人が行列をなしている。入場制限で、後で分かったが店に入るまで1時間以上も掛かったらしい。おまけに最後尾に掲げられているチラシの拡大コピーにはデジカメも含め、ほとんどの商品に「売切」の紙が貼られていた。ボーナスをもらったのは自分だけでない。「100個限り」を甘く見てしまっていた。息子の手を引き、そのまま引き返すことにした。これも後から分かったことだが、始発電車が動き出す頃が勝負の境目だったらしい。その時刻なら、デジカメを買って喜んでいる夢を見ていた頃だったと思う。

(秀)