第1234話 ■選挙総括・2005

 さて、衆院選挙の総括について何と書こうか、一日悩み書けず、二日悩むに至った。いや、開票速報を見ながら「まずいなー」と悩んでいたから、足掛け三日になる。解散直後に「小泉の賞味期限は切れた」、公示前日に「与党で過半数に達しない」とコラムに書いて、見事外れてしまった。ごめんなさい。勝つときは大勝し、負けるときは大負けする。これが小選挙区選挙の特徴の一つでもある。「勝たせすぎたなー」なんて思っても後の祭りだ。開票速報を見ながら、むしゃくしゃしてきて、酒をかっくらって早々に寝てしまった。

 誰が今回の結果を予想できたであろうか?。しかし、マスコミでは事前の調査で自民党の300議席という数ははじき出されていたらしい。ただ、あまりにも衝撃的な数字であるため、この具体的な数字での報道は見送られた。アナウンス効果に対する配慮もあったろう。ただ、駅売りのタブロイド紙では早い時期から「単独で安定多数確保」、「自民300議席」などという見出しが躍っていた。

 自民党が勝って、民主党が負けたのは何故か?。マスコミは「小泉総理の戦略が分かりやすかったから」と言うが、そんなことで本当に説明がつくのだろうか。勝った側やマスコミがそういうのは構わないが、負けた民主党が原因をそんなことで片付けていたら、何の教訓も生まれない。「分かりにくかった」では済まされない。やはり、民主党政権が拒否されたと考えるべきだと思う。負けるときには大きく負ける。

 自民党と民主党の違いは何か?。主義・主張の違いなど、国民の多くには伝わっていないはず。同じような機能や品質の商品が二つあったとしたら、多くの人は有名な方の商品を選ぶだろう。ブランドだ。「政権与党」というブランド。ブランドがあったからこそ、落下傘であろうが、刺客であろうが、素人でも勝利した。ブランドには安心感がある。所詮日本人はブランドに弱い。

(秀)