第1242話 ■ニッポン放送1242

 せっかくの第1242話なので、その数字にちなんでニッポン放送の話題について書こう。私が生まれ育ったところは日本のだいぶ西側でニッポン放送は直接ではなく、地元の放送局からの中継で聞くのが主だった。「オールサイトニッポンという深夜放送がある」といいうことを初めて聞いたのは子ども会でのキャンプの夜だった。「それなら起きていて聞いてみよう」とその夜がんばってみたが、小学生には厳しかったようで、その放送を聞くことなく、寝てしまった。

 その後、オールナイトニッポンが話題となったのは中学に入ってからで、土曜日深夜の鶴光のオールナイトニッポンが面白いというので、翌日が休みであることも手伝って、ようやく聞くことが出来た。面白かった。学校でも前週末の放送が会話の話題にもなった。途端に他の曜日はどんなパーソナリティーが担当しているのか気になり、眠い中、布団にもぐってイヤホンで聞いたもんだ。

 やがて雑誌等により、いろいろな情報に接する年頃になってきた。「ラジオっ娘」という三人組がいるらしい。彼女たちのラジオ番組が一部で話題になっているらしい。しかし、その番組を地元の局はネットしていない。それでもどうしても聞いてみたいため、ラジオのダイヤルを1242付近に合わせてみた。当時は周波数をデジタル表示するチューナーではないため、メモリを見ながら針を合わせていく、しかしこれが結構アバウトだったりする。それらしい音は聞こえてくるのだが、それ以上に韓国からの放送を拾ってしまい、なかなか目的の音声を聞き取ることが出来ない。聞き耳を立て、ちょっとしたスパイ気分だ。やがてラジオっ娘の番組は金曜日のオールナイトニッポン枠に移動し、全国ネットされるようになった。このときはうれしかった。

 ビートたけしのオールナイトニッポンはこれよりも若干前になる。記念すべき一回目の放送から聞いた。枕元にメモを置いて、面白い話をメモしていたが、朝になるとそのメモは全く面白くなかった。やがて、オーディオタイマーとオートリバース対応のラジカセを用いることで、二時間の放送をまるまる録音することに成功した。これは自分的には随分画期的なできごとだった。この他にも、大学卒業までに、中島みゆき、デーモン小暮、所ジョージ、とんねるず、タモリ、松任谷由美、ラジオっ娘、伊集院光などのオールナイトニッポンを聞いた。

 夏場は野球中継で夜の放送の多くを取られてしまうが、そのシーズンが終わった頃になるとゴールデンタイム頃からいろいろと放送が始まり面白く、これもまたラジオの楽しみ方の一つだった。今ではオールナイトニッポンもずいぶん早い時間から始まっているらしい。嗚呼、わが青春のニッポン放送、1242。

(秀)