第1243話 ■ずるい総理

 小泉総理はとてもずるい男だ。「私の在任中は消費税は上げません」と受けの良いことばかり言って、そのうらで国債発行による財政赤字幅を大きく拡大させた。ついでに野党も腰抜けだから、「消費税を上げます」と公約して選挙で戦う訳にもいかず、逃げている。事態は時々刻々暗転し続けている。景気が回復して税収が増えれば何とかなる水準ではもはやない。まさに待ったなしの状態でありながら、小泉総理は問題を先送りにしている。残されたポスト小泉と国民には全く迷惑な話だ。

 例えれば、40万円の収入で62万円の支出をしている状態である。しかも借金を返すための借金。普通の家庭なら支出を減らそうとするだろうが、この多くは食費(公務員の人件費)と借金(国債)の返済であるため、大幅な削減は難しい。そうなれば収入を増やすしかない。しかも借金ではなく。

 たとえサラリーマン増税になっても、私は払う覚悟がある。もはや将来にわたって借金を増やすぐらいなら、その方が良い。先送りすることで良いことなど何一つないから。ここがうまく行かない限り、最終的に年金に税金をつぎ込むなどの解決もできない。

 消費税の値上げもやむを得ないと思う。ただ、それと合わせて所得税減税を行って金持ちの税金を大幅にまけてやるようなことさえしなければ。確かに多くの人の生活は苦しくなるだろうが、それで飢えるまでのことはなかろう。かつて貧しかったけど、心は豊かだった時代に学ぶべきだ。本当に痛みを伴う時代はこれからやってくる。

(秀)