第1295話 ■脱メタボリック

 就職した当時の私の体重は50キロ。ガリガリで、スーツのズボンは、Mサイズのものをウエストを3センチ詰めてもらっていた。そんな体型がしばらく続き、結婚による幸せ太りもないまま20代を過ぎたが、30歳になった頃に一波来た。数年掛けて5キロ太った。35歳を過ぎてさらに一波。健康診断の「高脂血症」の文字を見て後、10キロ体重が増え、今では65キロを超えるに至った。

 世間で話題のメタボリック症候群である。ウエストも基準の85センチあたりである。体脂肪率などの判断基準も合わせて判断すると「普通」から「肥満」へと足を踏み入れてしまっている。基礎代謝の量が減ったにも関わらず、若いときと同じような食事のため、カロリーが余っているに違いない。着やせするタイプで、服を着てればあまりそう目立たないのが多少の救い。しかし、衣替えの度にズボンが合わなくなるのには困ってしまった。

 痩せようと思っても根が怠け者なので効果がない。内臓脂肪は有酸素運動でないと燃焼されないため、ジムのトレーニングでは筋肉は付くが、内臓脂肪は思ったほど減らないらしい。筋肉が増えれば基礎代謝量が増えるが、苦痛を伴うので、この手のダイエットなんかきっと続かないだろう。

 できれば金を掛けずに楽して痩せたい。そこで乗馬タイプの電動器具によるダイエットに挑戦することにした。本家の「ジョーバ」は約10万円と高いが、同じような「ロデオボーイ」は2万円程度で買える。テレビを見ながらこれにまたがり、ウエスト周りが痩せないかな、と思っている。しかし、これもできるだけ安く買いたいのでネットオークションで買うことにした。

 新品、中古と結構多くのロデオボーイが出品されていた。そんな中から、値段が手頃で出品元が近いものを落札した。25キロの代物である。送料も馬鹿にならない。車で取りに行けるところを選んだ。しかし、この直接取りに行く理由はこれだけではない。出品者に会いたいのだ。取りに行った際、出品者が私よりも太っていたとしたら、この器具の効果は期待できないわけだ。

(秀)