第1296話 ■ふりかけ
- 2006.11.13
- コラム
ふりかけって、ないならないで問題ないが、あるとちょっと豊かな気分になれるのは大人になっても変わらない。子供にとってはなおさらのことだろう。ふりかけは日本がまだあまり裕福でなかった時代におかず不足を補い、ご飯の食をすすめるための存在がその起源だと思うが、いかがなもんだろうか?。私が幼く、家が貧しかったときには、のりかふりかけが欠かせなかった。朝食がふりかけご飯だけということも当たり前のような有様だった。
いつもは食材などとあわせて近くの食料品店で買うのだが、ふりかけが切れているのに夕飯前に気がつくと隣の八百屋に慌てて買いに行く。やはり、ふりかけと言えば丸美屋であろう。その中でも「のりたま」はまさに花形だった。百円持たされて買いに行った際、袋に入ったのりたまは当時30円か40円ぐらいだったと思う(当時より約10年前の昭和35年の発売開始時で30円)が、その日はいつも見慣れた袋のパッケージの横に、円筒形のプラスチックケースに入ったふりかけが並んでいた。3色パックってやつだ。
まずケースの色が3種類ある。赤に青に黄色。そして中が3つに区切られていて、3種類のふりかけが収められている。のりたま、たらこ、ごましお、の3種類。値段を聞くと百円。有り金をそっくり渡して、そのうちの1つを買い求めた。家に帰ると渡した金を全部使ったことを咎められたような気がするが、その辺の記憶が今一つあやふやなのは、3色パックを手に浮かれていたせいだろう。
ふりかけを3つの中から選べるというのが嬉しい。けどやはり一番人気はのりたまである。よって真っ先にこれがなくなった。しかしこれは単に好みだけでなく、穴の大きさが関係していた。のりたまの振り出し穴が最も大きく、次いで、たらこ。ごましおに至ってはなかなか出てこないように穴が小さかった。よって、ごましおが一番最後まで残ってしまう。
3色パックは今でも販売されているが、あまりその姿を見かけることはない。Webによると最近リニューアルされたようだ。このごましお残留問題について丸美屋も意識をしているようで、のりたまの量を増やして、ごましおを減らしたらしい。もう一つの振り出し穴については実物を見て確認するしかない。
(秀)
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