第1340話 ■天晴、佐賀北高校

 甲子園、高校野球の話。今大会、わが郷土の佐賀北高校が優勝した。母校ではないが実に嬉しい。地元の優勝は13年前の佐賀商業に次いで2度目のことで、前回はそれほどの喜びはなかったが今回は本当に嬉しい。

 それはきっと今大会でのが試合内容にひかれているからだと思う。2度目の出場で前回は初戦敗退。それが今回は2回戦での引き分け再試合の頃から台風の目として注目された。準々決勝の対帝京高校戦は休日とあってテレビで観戦したが、延長13回の裏、これまで帝京に押され、何度も危機を乗り越えてからの劇的なサヨナラ勝ちになった。

 そして今日の決勝戦。7回終了まで4対0の負け状態。しかし、私には北高打線がこのままで終わるはずがないと思っていた。迎えた8回裏。ヒット2本と四球で満塁。ここでホームランでも出ないかな、と素人みたいな希望を抱いたら、四球で押し出し1点。次の打者は3番バッターで、確か今大会2本のホームランを打っていた。その彼が見事に逆転満塁ホームランをレフトスタンドに叩き込んだ。

 佐賀北高校は県立の普通高校で、県内で3番目の進学校である(そもそも田舎だから大したことないが)。特別な練習設備などないし、県内でも野球においては、2度目の甲子園出場とあって、それほどの強豪校ではなかった。こうしていざ甲子園となると名門私立校のような貯えもない状態である。開幕時にはノーマークだった、そんな彼らが実に見事な大輪の花を咲かせた。

 実は数日前に佐賀北高校について書こうと思ったが、対戦相手がいることだから、そこを応援している人のことを考え、最終的な結果が出てから書くことにした。全てが終わったということで、多くの他県の皆さんにも私の浮かれぶりについてはご容赦いただきたい。それにしてもワンセグって便利だなあ。

(秀)