第1355話 ■プロ野球のビジネスモデル

 昨日、巨人がリーグ優勝を決めた。にもかかわらず、テレビの地上波での中継がなかった。私はこの日、BS日テレで観戦していたが、9回裏の巨人の攻撃の途中で、「今日はダメだ」とチャンネルを変えてしまった。ところが数十分後、インターネットでニュースサイトを見たら、胴上げされる原監督の写真が載っていた。ちなみに私は巨人ファンではないし、野球も別に好きではない。特に、ナイター中継でテレビ番組の放送時間が変更になったりして、むしろ嫌いな方だ。ただ、優勝が掛かっているとなると、ちょっと気になる。特に今シーズンのセリーグは混戦していたから。

 ここ数年、ナイター中継の視聴率が低迷し、昨年ぐらいから地上波での中継放送がずいぶん少なくなってきて、今年はさらにその傾向が強まった。そして今週はテレビ番組の改変期の特番時期と重なってしまった。優勝が、しかも巨人のドームでの試合でありながら、日テレは地上波での放送を断念した。BSでの視聴率はどんなもんだったのだろうか?。

 球団および球場の収入源は大きく3つ。観客の入場料、球場への広告、それにテレビ等での放送権料。このようなビジネスモデルにおいて、テレビの放送権料は他の収入源にも影響力が大きいはず。そもそも球場に足を運んでくれる人は、通常テレビで観戦している人々を母数にしていると思う。特に巨人の場合は。テレビの視聴率が悪かったり、放送回数が少なくなると、球場に足を運ぶ人の数は先細りすることだろう。それと球場の広告にしても、それがテレビで映ることを前提に値付けされているはず。特に東京ドームの場合は。

 ナイター中継の視聴率が取れないとなると、スポンサーが付かなくなる。集まる金も少なくなるので、地上波では他の番組との予想視聴率を秤にかけ、編成が決められる。そこではじき出されて、BSへと追いやられる。それに有望な選手たちは大リーグへと出て行く。プロ野球にプロ野球の枠を超えたヒーロー、すなわち、野球に興味がない人でもその存在を知っているような選手がが存在しないことが、現在のプロ野球の低調ぶりを象徴していると思う。

(秀)