第1354話 ■焼きそばの暴力

 先週の土曜日の雨の中、娘が通っている高校の文化祭に行ってきた。今日はその時の話。限定的に保護者や家族でないと校外からは入ることができないことと、あいにくの雨で人が少ない中、いくつかの模擬店が出ていた。

 どうしてなんだろう?。不思議とお祭りなどで焼きそばを焼いているのを見ると、とてもうまそうに見えてしまう。けど、決まってあまりおいしくはない。この日もそんな気がしながらも、焼きそばを買って食ったところ、これが予想通りにまずい。ソースだくだくで辛いし、そもそもソースがうまくない。温かい焼きたてでこんな感じだから、冷えたものはきっと、もっとまずい。

 焼いているところを見ると、「焼きそばソース」とラベルが付いた、おそらく1.8リットル入りのプラスチックのボトルが置いてあって、それを使っている。焼きそばソースって書いてあって、たくさん入っていて、それで安ければ良いといった感じで選んだんだと推測する。焼きそばはソースが全てと言っても過言ではない、のに。ついでに何故、焼きそばかというと、たこ焼きなどに比べると簡単だから、という理由ではないかと推測する。

 屋台の焼きそばも概ねこんな感じ。多少ソース選びにこだわってみても、業務用の容器からどくどくと掛けるだけ。だから屋台の焼きそばもおいしくなんだと思う。普通の店なら考えられない。しかし、屋台はそのときが良ければ良くって、リピーターなど考える必要はない。文化祭の模擬店もそうだ。このときの文化祭のテーマが「一期一会(一生に一度だけ出会うこと)」とは何とも皮肉なことか。まるで焼きそばの暴力だ。

(秀)