第1380話 ■コピー機

 私が普通にコピー機を使用するようになったのは大学に入ってからだ。それまではコピー機を使用する用なんてそもそもなかった。それが大学に入った途端にコピー機を使用する用が急に出てくる。友人からのノートや資料など。試験前は私だけに限らず、特に需要が大きくなる。その頃、普通のコンビニにはコピー機があったかどうか記憶していないが、私は専ら大学近くにあったコンビニ風の店(深夜は閉店してしまう)のコピー機を使用していた。

 その頃のコピー機と今コンビニなどにあるそれとは、操作の面においての変化はあまりない。原稿台に原稿を置き、用紙サイズと枚数などを指定してスタートボタンをポチッとな。最近は料金をコインベンダーに入れる先払いが普通のようだが、昔はレジカウンターでコピーをしたい旨を告げ、コピー機に取り付けるカウンター装置を店員から受け取り、コピー機にセット。使い終わった後にそのカウンター装置を店員に渡し、使用枚数を確認の後、代金を支払うシステムだった。値段は今も昔も変わらず、モノクロA4で10円が基本。

 やがて会社に入って、日常的にコピー機を使用するようになるが、会社のコピー機は街でのセルフ方式のコピー機とは大きく異なっていた。まず、原稿台に原稿連続読取装置(オートフィーダーと言う)が付いていた。そして出力トレイには印刷物を部単位に仕分けする機械(ソーターと言う)が付いていた。このオートフィーダーとソーターのおかげで、例えば、10ページの資料を20部作成しようとした場合もコピー機が自動で指定通りにやってくれる。おまけに部単位にホチキス留めまで自動でやってくれる。これを街のコピー機でやるとなると、1ページ毎に20枚コピーを繰り返し、出てきた紙を手動で並び替え、ホチキス留めを行うことになる。

 最近のコピー機は単なるコピー機能だけではなく、ネットワークプリントやFAX、ネットワークスキャナの機能も持ち合わせたデジタル複合機になった。デジタルなので、印刷を部単位に必要部数繰り返すようになって、かつてのソーターは不要になった。そして最新のコピー機には非接触のカードリーダーが付いている。オフィスへの入管証にもなっているIDカードを鍵に、そのカードをカードリーダーにかざさないとコピーの使用やプリントの出力ができなくなっている。聞いたところによると、プリンタとして出力しているファイル名称も監視されているらしい。ある意味、いろいろなことがやりにくい御時世になったもんだ。

(秀)