第1382話 ■食い違い

 またぞろぞろと食品に関する偽装とそれを隠そうとするさらなる嘘が露見した。船場吉兆の消費期限の偽装事件。最初はパートがやったこととして会社は関与を否定していたが、その責任を負わされそうになった人が逆襲に転じ、取締役からの指示であったことを明らかにした。おまけにこの取締役、「調査報告書」なるものを作って、その人に署名と捺印を求めたらしい。このことが明らかになるや、取締役は雲隠れした。「会社を守りたかった」とでも言うんだろうが、「自分(の地位)を守りたかった」というのが本心だろう。

 これでは「秘書が勝手にやった」と言っていた国会議員並みだ。秘書の忠誠心は強いが、パートの安い賃金で雇われている者にそこまでの忠誠心などあるはずもない。忠誠心よりも正義心の方がずっと大事だ。

 もう1つの食い違いは防衛省の問題。昨日、前事務次官が2度目の証人喚問を受け、防衛商社の接待の席に同席した長官の名前を明らかにした。額賀と久間。マスコミはすぐに二人を追いかけ、コメントを取ったが、「記憶にない」など、否定している。しかしながら、方や嘘を言えば、偽証罪の適用を受けるかもしれない立場の人間が、しかもかたくなにこの部分の証言を拒み続けた人間が、嘘をついていると思うよりは、元長官の二人の方が嘘をついていると考えるのが、自然のような気がする。

 きっとこの先、否定し続けたにしても、元長官の二人が接待の席にいたことは明らかになるだろう。秘書にその日の予定を確認してみたらどうか?。秘書は忠誠心からかばってくれるだろうか?。額賀元長官は現職の財務大臣だ。また、予算案成立のための障害が増えた。さて、辞職か更迭か?。そして接待の事実が明らかになった際には、「あの人が、防衛商社の人だとは知らなかった」と言うに違いない。苦笑。

(秀)