第1403話 ■給与明細なくなる
ついにこの日が来たか、といった感じ。私が勤める会社では、辞令に引き続き、給与明細の支給がなくなった。給料日の前日に上長からうやうやしく明細をもらう儀式がなくなり、代わりに各自イントラのサイトからダウンロードして印刷するようになった。
現金の入った月給袋がなくなって、給与明細という紙切れになり、今度はそれがプリンタで印刷した本当にペラペラの紙になってしまった。親父の威厳はますます遠のいて行く。明細のデータはPDFファイルにて提供されている。それをプリンタに出力したら、他の人に見られたりしないように、急いでプリンタの位置まで駆けていく。こんな姿、家族には見られたくない。
ところで、この明細、PDFファイルなのだが、これを受け取って見る家人にはそんなこと分からないし、関係ない。だから、その気になればパソコンソフトで偽装することなど簡単にできてしまう。家計用と小遣い用に振込口座を分けている人は、残業手当などを削り、支給総額を少なくするなどし、その分を小遣い用の口座に振り込ませれば、へそくりができる。
この偽装は、刑事上の罪にはならない。しかし、そもそも給与からへそくりを作ろうとしている人は、それ以前に給与明細を家人には見せていないらしい。
(秀)
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