第1435話 ■業務上のおしり

 物事や順序の始まりを「あたま」、おしまいの方を「おしり」とか「ケツ」なんて言い方をする。頭から足ではなく、頭からお尻なのが不思議に思える。けど、そう決まっているからしょうがない。

 もう10余年以上前の話。電子メールなんて使用していないから、主な通信手段は電話かFAXになる。私が当時いた部署は自社の各拠点からの申請書類をFAXで日々大量に受けていた。このため、朝一の作業は届いたFAXの整理から始まる。

 私はFAXの受信トレイにたまっている紙を取り上げ、派遣の女性社員に渡した。まず受付番号を採番する。そうこうしている間に次のFAXが届く。それをまた取り上げるとさっきの女性に「これ、おしりに入れておいて」と言って渡した。

 秀)「これ、おしりに入れておいて」
 女)「はい」

 仕事の会話としては問題ない普通の会話だと思うが、この部分の会話を切り取ると意味が変わってくる。だって、紙を「おしりに入れて」おくように指示しているのだから。言ってしまった直後、急におかしくなって笑い出してしまった。セクハラ騒ぎにならなくて良かった。

(秀)