第1442話 ■読まずに溜まる本

 買ったは良いけど、読んでいない本というのが本棚に相当ある。同様に録画したは良いけど見ないまま、レコーダーに残っていたりやDVDにダビングしたものの、そのままにしているコンテンツも結構多い。この話題は過去にも書いたような気もするが、敢えて今回も書こう。

 文庫本は比較的早く読んでしまう。テレビの録画もバラエティ番組は比較的先に見てしまう。逆に厚い本や映画、長時間番組が残ってしまう。本の場合は1度読んだら2度読み返すことはほとんどない。置き場所にも困ってしまうので、読み終えたらさっさと古本屋に持って行って売ってしまう。文庫版は保管に便利だが、保管しておこうという気まではしないので、比較的気軽に手放すことができる。

 小説などは一通り読んで終わりであるが、私がコラムでなつかし話を書く際の資料となるような本は、買った直後ペラペラとページをめくってはみるが、全体を通して文字を追うような読み方はしない。買ったことで一安心。読むことではなく、所有することで満足してしまっている。中古で買った本にこの傾向が強い。あれだけ探して、やっと手に入れたにも関わらず、読まない。

 花登筐(はなとこばこ)の小説が好きで、できれば全部揃えようと思っているが、あいにく全て絶版である。ネットオークションなどで半分ぐらいまで集まったが、そのほとんどをまだ読んでいない。山手樹三郎の本も少々集めたが、これまたほとんどを読んでいない。どちらも、例え読み終えても手放すことができないだろうから、すぐに読む気になれないのである。

 箪笥の肥やしという言葉があるが、本棚の肥やしという言葉もありそうだ。

(秀)