第1491話 ■うた魂(たま)♪
「うた魂(たま)♪」という名の映画である。1日の映画サービスデーなので、今回はこの映画を見た。実は以前から見よう見ようと思っていたが、いざとなるとなかなか機会がなく、行こうと思っていた映画館での上映は終わってしまっていた。そこで、サービスデーならばということで渋谷に繰り出し、ようやく見ることができた。
北海道の高校の合唱部を舞台にしている。「スウィングガールズ」の合唱バージョンといった感じだろう。主演は夏帆である。彼女が通う高校の合唱部は合唱の全国大会の常連である。歌がうまく、自己陶酔型の主人公はそこでソプラノのパートリーダーを務めていたがあることをきっかけに合唱をやめてしまう。しかし、そんなときに出会った不良学生、だけど礼儀正しい権藤(ガレッジセール ゴリ)らが歌う、魂のこもったソウルフルな「15の夜」に心を動かされ、再び合唱へと戻っていく。
歌うこととは何か?、歌うことのすばらしさとは?、を問いかけてくる。それに対し、技巧的なうまさではなく、相手のソウルに訴えかけることが重要だと、権藤の口を突いてそう主張してくる。権藤は3年前に路上で尾崎を歌う女性に魅せられて、仲間達を集め、合唱部を結成していた。そしてソウルにひたすらこだわる。
最後は全国大会への予選会である。権藤らも予選に出場しようと会場に来たが、その髪形と服装から主催者が出場を許可しない。まあ、ここから先の記述は控えるが、そのままでは映画のストーリーは続かないので、どうなったかの想像はたやすいことだろう。
そして主人公の高校の出番。ピアノ伴奏が始まったところで早くも鳥肌が立った。出演者の緊張感と会場の雰囲気が映画でありながらリアルに伝わってきたからだ。見事な合唱だった。主人公はこうして歌うことの楽しさを改めて実感した。
基本的に私は青春映画に対して甘い。しかし、その分を差し引いても良い映画と言える。既に公開を終了したところが多そうなので、DVDになった際にでも鑑賞されることをお薦めしたい。
(秀)
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