第1533話 ■ほおずき市

 四万六千日。浅草寺は今日と明日、「四万六千日」ということで、この日にお参りすれば四万六千日分の功徳があると言われている。そしてこの日にあわせて、浅草寺の境内ではほおずき市が開催され、数多くの店がほおずきを販売している。

 いつもならば、このほおずき市の前の週末に朝顔市があってからのほおずき市だが、今年に限って朝顔市の日程が変更になっていて、来週末に開催される。そういう意味ではちょっと違和感がある。今年の夏の訪れだ。

 電車に乗って浅草寺まで出掛けると、さすがにいつもの週末に比べても人が多かった。ワイドシューか何かだろう、テレビカメラも来ていた。聞くところによると、この2日間で60万人の人が訪れるらしい。きっと、宵にかけても人が途絶えないことだろう。

 ほおずきの鉢は風鈴つきで売られている。私はほおずきはさておき、今日は江戸風鈴が欲しい。帰りに雷門の横にある和風小物の店でいくつも見本の風鈴が吊るされていた。この価格の差は何だろうと思いながら、短冊を揺らしてみると、響きに大きな差がある。高いものは確かに良い音色で鳴る。安いものの倍ほどの値段がする、その良い音の風鈴を土産に買い求めた。粋ってこんなことだと思う。

 会社を休んで家人と浅草まで出掛ける。江戸風情に触れ、土産には人形焼と江戸風鈴。風流だなあ。粋ってこんなことだと思う。

(秀)