第158話 ■着メロ ~LOVEマシーン

 みなさんはどんな着メロを使っているだろうか。ちょっと前、会社で毎日決まったように、終業直後、ある後輩の携帯が鳴りだした。着メロは笑点のテーマ。オフィスに笑いが溢れ、緊張がゆるむ瞬間である。携帯の着メロはそもそもの好き嫌いが、かなりはっきりと別れるようだ。嫌いな人は直接的にその音や音楽が嫌いなわけでなく、電車の中などで鳴りだす着メロへの不快感からそうなったという人が多いだろう。「坊主憎けりゃ、・・・」というやつね。BOSSのCMに出てくる、あの彼(若い方)の意見ももっともだし。

 携帯着メロの仕掛人は、雑誌「TOKYO★1週間」だったらしい。その頃は雑誌や本に紹介されている数字の羅列をひたすら打つだけであったが、その後、PC用の編集ソフトが出たり、ゲームセンターなどで曲のデータをダウンロードする機械やあらかじめROMに焼かれている曲のデータを転送するためのアタッチメントも秋葉原などでは売られていた。しかし、PHSを使用する私はいずれも蚊帳の外である。それでも懲りずに機種交換を重ね、今は「”H(エッジ)」を使っている。すると今度の機種からメールサービスでの着メロのダウンロードが可能になっていた。

 ノーマルな着信音では自分のが鳴っているのかどうか分からないことがしばしばあり、手間が掛からないなら着メロを使いたいと思っていたため、早速そのサービスを利用してみた。1曲30円。本を買ったり、せっせとボタンを押し続けることを考えれば、何ともお気軽である。現在、私のPHSには次のような曲がメモリーされている。「踊る大捜査線のテーマ」、「LOVEマシーン」、「本能」、「HEAVEN」、「SOULS」、「空の瞳」。調子に乗ってこの始末である。意外に曲数も多く、新曲の配信もカラオケなみに早い。せっかくなんで、各人毎に着メロを分けることにしよう。女房からの電話の着メロが「LOVEマシーン」じゃあ、ちょっとイージーかな。「あっ!」、もう一人のLOVEマシーンから電話が掛かって来た。「もしもし」。