第1653話 ■帰れまテン
テレビ朝日の本来は深夜番組なのだが、この日は3時間スペシャルということで、ゴールデンタイムに放送をしていた。非常に単純なゲームである。外食チェーンの店で人気メニューのベスト10を食べながら当てるという番組である。10位までのすべての品目を正解させないと、文字通り帰れない。タカ&トシやブラックマヨネーズがレギュラーで出ているらしい。何しろ、このご時世にあった安上がりな番組だ。
最初は参加者もテンションが高く、楽しく食べながら当てていく。最初は当たり易い。ルールとして、注文したものを食べきった時点で回答となる人気ランキングが発表される。ストレートで10品目を当ててしまえば、100万円の賞金も用意されているが、それは難しい。おいしそうに食べているのを見て、「明日、ガストに行ってみようかな?」という気分にもなる。この日は、ガストと、かっぱ寿司での対抗戦だった。最初は見ているほうも参加者と一緒になって、答を予想したりしてみる。
しかし次第に正答率が落ちてくる。不正解が続くと、出演者のテンションは下がっていき、出演者間の雰囲気も気まずくなる。そして、食欲も次第に失せてきて、出て来た料理の扱いがだんだんぞんざいになっていく。そして、当てる品目数の残りが3つあたりになってくると、撮影も数時間におよび、しかも店の営業が終わった深夜にロケを行っているため、満腹もあいまって、番組なんかどうでもいい感じの雰囲気が出演者からかもし出される。
結局のところ、せっかくのメニューも出演者の表情からして、おいしそうに見えなくなってくる。店というか、その外食企業は宣伝になるからと番組に協力しているのだろうけど、最終的な視聴者の購買動向というか、食欲を良い状態に刺激できたのか疑問が残る。正直、番組の最初にあった「明日、ガストに行ってみようかな?」という私の考えは番組の終了時点では既に消えていた。そんな番組。
(秀)
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