第1718話 ■五、六年生の休刊

 ここ数日で一番ショッキングだったニュース(仕事のことは除く)は小学館が発行している学年別学習雑誌のうち、「小学五年生」と「小学六年生」が来年の3月号(六年生は2、3合併号)を限りに休刊になるという話だった。雑誌や書籍の業界が厳しい話を聞いてからずいぶん久しい。休刊になる雑誌もずいぶん増えたが、休刊とは実質的な廃刊である。少なくとも私は、休みから復活した雑誌を見たことがない。

 折からの少子化と嗜好の多様化ということで、売り上げは一時期の十分の一程度まで落ち込んでいるらしい。一年生のときに「小学一年生」でスタートして、小学校よりも先にこれら学習雑誌を卒業していく子供たちが増えているようだ。確かに、書店で見ただけでも、五、六年生となると、芸能人やスポーツ選手が表紙を飾っていて、ちょっとした芸能雑誌の雰囲気を醸し出している。女の子は既におしゃれの情報が気になりだしている頃だ。

 私はただただ自分の学年に合わせて「小学○年生」を買い続け、それどころか、競合誌として登場した旺文社の「小6時代」も買っていた。余談だが、これにも兄弟誌の「小5時代」というのがあったが、それほど長くは持たず、両誌とも数年で廃刊になってしまっている。

 そもそも学年別学習雑誌にはマーケティング上の大きな問題を抱えている。それは読者層が同じ学年と極めて薄いことだ。その学年の子供しか買わないわけで、毎年読者が入れ替わってしまう。他の雑誌では考えられない、学年別雑誌ならではの宿命である。逆にこのような条件の中、会社創立時の創刊から87年間も続いたことの方が不思議なのかもしれない。来春からの学年別雑誌がなくなる、現四、五年生がちょっとかわいそうだ。

(秀)