第1742話 ■3D映像

 3D映像となると古くは「オズの魔法使い」のテレビドラマを思い出す。それより古くなると「仮面の忍者赤影」の映画で飛び出す画像が部分的にあったようだ。その当時は「3D」なる言葉はではなく、「飛び出す」というのがキーワードだった。子供向けの雑誌なんかにも飛び出すページというものがあり、いずれも赤と青のセロファンをそれぞれ片眼ずつに配したメガネを付けて見るものだった。本当に立体に見えたのかどうかはかなり微妙だった。

 それから随分時間は下るのであるが、東京ディズニーランドにあった「キャプテンEO」の3D映像はなかなかよく出来ていた。無くなってしまってから久しいが、音響が良かったこともあり、総合芸術として私の評価は高い。ただ、ストリーは今イチだった。当時長男はスクリーンから飛び出してくるように見える隕石に向かって、それを手で掴もうとして手を突き出していた。

 さて最近、映画「アバター」や国産メーカーからの3Dテレビの発表が行われるなど、3D映像について世間の注目が増している。あいにく、私はアバターを見ていないが見た人の話によると「目が疲れた」らしい。間もなく、同作品はDVDやブレーレイになるらしいが、自宅で見る3D抜きでの作品そのものの評価はいかがなものなのだろうか?。3D抜きでも評価に値する内容なのだろうか?。

 一方の3Dテレビであるが、先日パナソニックとソニーが発表を行った。パナソニックが先行して発売されるようだ。国内メーカーでは初の3Dテレビであるが、全世界的にはサムスンの3Dテレビが最も早かった(パナソニックはフルHDの3Dとして世界初)。そこで、このサムスンの3Dテレビを視聴した時の感想だが、「飛び出す」よりも「奥が深い」という表現が適切と思われるような描画だった。奥行きのある映像の場合、その奥行き感がリアルに(やや過剰に)表現されているという感じだった。

 たとえ3Dテレビがリリースされようとも、それに対応したソフトや放送がなければ意味がない。2Dの映像を擬似的に3Dライクにリアルタイムで加工しながら描画する機能などもあるかもしれないが、一般家庭にここまでのシステムが行き渡るとは到底思えない。

 究極の3Dとなるとドラえもんに出てくるような、立体映像を表示する装置だろう。茶の間にキャスターが飛び出してきてニュースを伝えたり、ドラマでは自分を挟んで二人が会話をしていて、それぞれに首を向けながら視聴し、映画では車が自分に向かって突っ込んでくるような。そこまでになったら私はそのシステムが自宅に欲しい。

(秀)