第1754話 ■整いました

 Wコロンというコンビの一方、ねづっちが今ブームである。彼は謎掛けをやる人、天才謎掛け師だ。会場から自由に挙げてもらったお題に即答する。その早さは10秒足らず。本当に早いし、その答えに感心させられる。そしてひらめいた際に、彼は手を挙げて「整いました」と宣言し、思いついた謎掛けを披露する。そしてちょっと自慢気に「ねづっちです」と言う。今までにもらったお題で、整わなかったことはないらしい。いや、実に見事。

 謎掛けとは、今さら言うまでもなかろうが、言葉遊びの1つである。「Aと掛けまして、Bと解く、そのこころはC」というパターンだ。AとBで共通することをCとして答える。このとき、AとBの言葉が非常にかけ離れていたり、Cが同音異義語であったりするとその完成度が高いと私は思う。

 以前から寄席や演芸番組などに出ている「東京ボーイズ」という歌謡コントのコメディアンが「謎掛け小唄」というのをやっていた。「謎掛け問答で解くならば~♪」と、謎掛けにメロディを付けて披露するスタイルだ。良くできている謎掛けなのだが、ただこれはネタなので、あらかじめ用意されていたものでしかない。一方、ねづっちの場合はアドリブでリアルタイムにひらめきを繰り返し、見せてくれる。やはりそのライブ感が良い。

 落語家の金原亭馬生師匠一門は打ち上げの余興で謎掛けをよくやってくれる。客からお題をもらって、それを解く。酒も入ってきて、なかなかひらめかない、ある弟子。なかなか面白いものだが、完成度の高い、ねづっちの登場で最近はやりにくくなったのではなかろうか?。

(秀)