第1864話 ■シングル?

 「う~ん、確かにたまには自分が独身だったら、って思うこともあるよ」ってことでなければ、「この前買ったドライバーの飛びが良くってさ」って、ゴルフのハンディキャップに絡んだ話でもない。ゆっくりと腰を据えて座って、最後に手を伸ばし、まずは匂いで気が付いた。

 我が家のトイレットペーパーはいつもシングルだったはずなのに、今日はダブルの香料付きだ。色も白ではなく、ピンクだ。構わず紙を引き出していつものテンポで動作を繰り返す。不思議なのか、当たり前なのか、いつもシングルで使い慣れた長さをダブルであろうとそのまま引き出してしまった。結果、いつもよりは厚い状態で、いつもの倍の紙を使ってしまっている。

 家人に聞いてみたら、「ダブルの方が安かったから」と言う。けどね、仮にある個数のロールで300円のシングルのトイレットペーパーがあったとしよう。その隣には同じ個数で、270円のダブルのトイレットペーパー。あなたならどっちを買うだろうか?。家人は270円のダブルを買ったわけだ。

 私ならこの程度の価格差なら迷わずシングルを買う。無意識のまま、シングルと同じ長さでダブルを使ってしまうと、半分の回数しか使えない。それを金額で表現すると、150円分ということになる。もちろん極論であるが、30円程度の価格差であれば、結局早く使ってしまって、そんな価格差は吹っ飛んでしまうわけだ。まあ、そんな金額差なんてどうでも良い。最後は水に流してしまおう。

(秀)