第1885話 ■2位ではダメな現実

 金・銀・銅と、時差の関係で朝、目が覚めてからの情報で知ることも多い。リオオリンピックの話。いろいろとマスコミが騒ぎすぎて、プレッシャーを与え過ぎではないか、という意見をたまに耳にするが、実際の現地の会場では、それほど日本のマスコミの声が伝わるような状況は少なくとも競技前にはないような気がするのだが、どうなのだろうか?。

 競技別に様々な期待があるのだが、いずれにしてもメダルを獲得し、表彰台に上がるということは、とても素晴らしいことだと思う。たとえ、金メダルでなくとも。しかし、実際の社会の中では1番でないと意味がなく、2番以降は全て一緒ということが多い。民主党(当時)政権による事業仕分け。「2番ではダメですか?」という台詞が印象的だったが、あの人は参議院東京選挙区からの選出で、(トップ当選しているわけだが、)もしトップが取れなくても、今の定員割では4位までに入れば当選できる。もし彼女が1人区選出の国会議員であったとしたら、1番でなくても良いじゃないか、という意識も変わっていただろうか?

 かつて、学業の成績で順位を付けられていた時は、絶対的な答、正解を探すことが求められていた。スポーツも明確な勝ち負けや優劣によって、順位付けられるものだ。一方、私達が暮らす現実社会の中では、絶対的な基準や正解などが存在しないことが多い。そんな中で、唯一1位のものだけが選ばれている。

 例えば入札。これは1位でないと意味が無い。2位だからと、相当の仕事がもらえることはない。入札に限らず、様々な競合も1位でないと意味が無い。1か0かのいずれでしかない。恋愛についても然り。2番目、3番目というのは、法的あるいは倫理的にダメだとされる。こうして見返してみると、身の周りには1位でないといけないことが結構あるようだ。その一方で、そのような機会は日常的に数多く発生していて、次に備えて4年間待つようなことはない。

 そんな個々が集まることで、ようやく全体的な順位が決まる場合もある。例えば、市場シェアというものだ。個々の場では、やはり1つのものだけが選ばれて購入されていくが、それらが集まることで優劣の順位がつく。入札についても、個々ではそうだが、組織として件数がまとまってくると、1か0かということはなく、ある程度の順位が出てくる。まあ、いずれにせよ先端の個々においては、1位でないといけない。

 そのような形で、自分たちもその分野での個々の金メダルを日々追いかけている。2位ではダメな現実をあの国会議員以上に自分たちは肌身に感じている。さて、今日もそれぞれの金メダルを目指して、張り切っていきましょう!。

(秀)