第215話 ■ヒデバーガー

 勢いでプレステ2を予約してしまった。顧客情報漏れで騒ぎになった、プレイステーション・ドット・コムで、である。私の情報は漏洩していなかったと、メールが来たのでちょっと一安心である。勢いと言うものの若干の迷いがあったため、発売日当日というわけにはいかず、発売日から1週間遅れで納品される予定である。私はあまりゲームをやらない。もし、私がゲーマーだったり、酒好きだったら、連日のコラム執筆など不可能な話だ。それでもプレステ2を予約してしまったのは、DVDプレーヤーとしての用途と、来るべき情報家電の中枢となって、インターネット端末となる点を評価してのことである。噂では電話回線だけでなく、ケーブルテレビへの接続でインターネットが楽しめるようになるらしい。

 御多分に漏れず、初代プレステも持っているが、あまりゲームをしないため、ソフトもほとんど持っていない。もちろん、話題のシリーズもののゲームなどもない。私が買ったのは「仮面ライダー」と「バーガーバーガー」ぐらいだ。「バーガーバーガー」とはハンバーガーチェーンショップの経営シミュレーションゲームである。バーガーチェーンのオーナーとなって、新製品を開発したり、出店計画を練って、店舗を100店舗まで拡大させる内容となっている。単に私がハンバーガー好きであるのと、経営シュミレーションゲームに興味があって購入した。我が「ヒデバーガー」は堅実な商品ラインナップで、着実に成長を続け、参入からわずか1年半足らず(ゲームの中での時間経過)で、ライバルの「M」や「L」やらの看板を掲げたショップを駆逐し、地図上の店舗を全て「ヒデバーガー」一色で独占した。

 その後、ライバルが2度と戦いを挑んで来ることはなく、独占のまま店舗拡大は順調に推移し、3年を待たずに、店舗数100店を達成し、ゲームは終了した。ゲーマーの多くはこのエンディングロールを見ながら感じる達成感にはまってしまっているんだろうな、などと思い、直前に保存したメモリーから同じシチュエーションを何度か呼び出し、その達成感を繰り返して味わったりした。さて、皆さんの周りに「H」の看板を掲げたバーガーショップが現れたら、要チェックだ。「ヒデバーガー」じゃないか覗いてごらん。