第316話 ■単行本

 連日お伝えしているように、「秀コラム」の本が出来上がった。執筆を始めた当初、「いずれは自費出版ででも本にする」という目標を掲げたが、わずか1年という思いのほか早い時期にこの目標は達成できた。しかも、自費出版ではなく。実は自費出版には私にとって幾つかの問題点がある。第1に印刷代金を一旦立て替えねばならないこと、しかも結構な金額になる。そして2つ目の問題は配本を自分でやらなければならないことである。毎日注文のメールを確認し、せっせと宛名を印刷しなければならない。これでは日々の執筆もままならない。それに、「秘密」(第200話参照)もばれてしまう。

 まさに渡りに船であった。第219話で「自費出版への道」を発表の後に、今回お世話になった「千年紀書店」さんから、メールをいただいた。この219話を書いていかなかったら、未だに「いつかは自費出版」と言いながら、印刷代金と配本の件で頭を悩ませていたことだろう。正直なところ、この本が売れて私が儲かるようなことはない(かなり売れた場合は別だろうが)。別に金が欲しくてコラムを書いているわけではないので、これは一向に構わない。しかし、今後も2巻、3巻と書籍化を続けていけるか否かは今回の売れ行きで決まるため、読者の皆さんにはぜひとも協力いただきたい。

 書籍化するにあたって、やはり、「売れるかな?」という疑問が浮かんだ。元はメルマガで配信されている内容である。バックナンバーも(結構大変だが、)Webで読むこともできる。それにわざわざお金を払ってくれるか?。しかし、出版に向け、本の形になった原稿での校正作業を始めると、紙媒体としての面白さが加味されているのに驚く。それはWebの画面を印刷したものとは違う、漫画で言えば単行本の楽しさが出て来る。単行本を買う人の多くは週刊誌でその話を読んだにもかかわらず、単行本を買い求める。今回のコラム本もどうやら同じ延長線上にありそうな気がする。