第357話 ■レンタカー

 車を買うと当初予定していなかった出費もあり、結構金が掛かる。ローンの支払い(現金買いならいらないけど)、ガソリン代、駐車場代、保険料、税金、それにオイルなどの消耗費と整備費、忘れちゃならない車検費用。ざっとここまでは誰もが買う前に計算する。しかし、駐車場代は日頃の保管場所分だけでなく、移動先での駐車場代というものも発生する。まあ、これは微々たる金額であろうし、無料のところも多いはず。ところが、駐車料金が無料ということは相応の買い物をしているわけである。それに、車があると生活スタイルが変わり、まず、外食の回数が増える。ここまで含めて車を買った際のトータルコストを考えると、結構恐くなる。

 家に車がないとなるとレンタカーを利用することになるが、見た目結構な金額である。しかし、月に3回程度しか車に乗らない人は車を買うよりもレンタカーの方が徳と、ある雑誌で紹介されていた。但しこれもくせ者である。田舎に帰ったときに車がなくて不便なため、3日間レンタカーを2万円程で借りたが、遠出をすることなく、街乗りだけだったため、タクシーを利用した方がうーんと安上がりだったことがある。それ以来、帰省時にレンタカーを借りるのはやめた。

 やはり、レンタカーを借りるのはドライブなど遠出しないことには割に合わない。もう10年以上も前の話、私が大学生の時、後輩がレンタカーを借りて、2対2のWデートドライブに出かけた。借りた車は白のシビック。女の子はこれがレンタカーなど思いもしない。そしてしばらく後にも同じ4人でドライブに出掛ける事になった。しかし、今度はお金が無いのでランクを落としてシティを借りた。ちょっと説明すると、このシティとは2代目で、シビックを一周りコンパクトにした風貌で、両車はとてもよく似ていた。色は前回通りの白。「なんかこの前の車より、狭くなったような気がする」。女の子がそう言ったそうだ。それ以上、あまりこのことは話題にならなかったらしいが、いつもレンタカーであること、今回は前回よりも小さい車である事、これだけはどうしても言えなかったらしい。ナンバーのひらがな部分が「わ」と「れ」はレンタカーだよ。