第417話 ■20世紀の終わりに

 さて、いよいよ2日あまりで21世紀を迎える。子どもの頃はずっと先で、超高層ビルや自動車が空を飛ぶ時代だといたいけにも信じていた21世紀が間もなくやってくる。まあ、時・時間というのは誰かの努力によりやって来るものではなく、放っておいてもそのときは必ずやってくる。そんなものの区切りを祝うことはちょっと変な感じさえする。

 そもそも人間は世紀という時間感覚で生活していない。自然科学的にも社会的にも100年でのローティションなど存在しない。第一、それほど人間は生きられないし。「20世紀を総括」するテレビ番組や雑誌での特集を見て思うのであるが、純粋に100年を対象にしたものなどまずない。ほとんどがここ20年のヒット曲や番組を集めたものに過ぎない。そもそもソースとなる媒体が存在しないし、選ぶ人間も50年以上前の話に詳しいはずもない。だから、我々が「21世紀だ!」といくら騒いでも100年後の「21世紀総決算」などの特集ではほとんど取り上げられることはないだろう。

 世紀またぎで少々困ったことを思い出した。あのV6。6人で構成されるこのグループは年齢によって、3人ずつのユニットでもある。年長者の方が略称「トニセン(20センチュリー)」。一方、若い方が略称「カミセン(カミングセンチュリー)」。方や過去の遺物、方や存続するはずもない、更なる来世紀を標榜するユニット名となってしまう。さて、どうなることやら。もちろん、30歳代後半になって、今だ「少年隊」というのも困ったもんだが。

 さて、今年の「秀コラム」もこれでおしまい。正しい、正月を迎えるために、皆さんには一年前の年末年始頃のバックナンバーを是非読んでいただきたい。皆さん、良いお年を。また、来年お会いしましょう。