第475話 ■歌番組分析
かくして今週はかつての歌番組について書いて来た。これ以外にも、「ベスト30歌謡曲」という番組についても書こうかと思ったが、番組タイトルと番組の中でゲストがスタジオ視聴者の中から選ばれた一人と結婚式ごっこをやるコーナーだけははっきり覚えているものの、放送されていた曜日や司会者が誰であったかどうしても思い出せないので書くのをやめた。一時リバイバルされたような気もするが、そもそもの番組は結構早い時期に放送を終わっているに違いない。この他にも、「ヤンヤン歌うスタジオ」や「レッツゴーヤング」などアイドル系の歌番組もあったが、これらはいずれかの機会に書く事にしよう。
さて、ここでかつての歌番組と今の歌番組とを比較検討してみたい。まず、最近のケースでは1つの番組に出るゲストの数が大きく減った。今ではミュージックステーションが最も多い例だろう。この番組は以前の「夜ヒット」のスタイルに近いものがある。一方、ゲストが減って新たに増えたのはゲストと司会者のトークの時間である。これにより、司会者もしゃべり中心の人を選ぶようになった。ダウンタウン、石橋貴明。
また、最近は生放送の歌番組が減ったのも特徴である。録画番組の場合はゲスト同士が同時に居合わせていなかったり、歌だけ別録りだったりする。例えば「HEY!HEY!HEY!」、「うたばん」がそうである。こういうスタイルを取ればそれぞれ出演者の拘束時間を柔軟に配置できる。やはりどの局も視聴率が取れるゲストを出したいし、その候補者はどこも似たり寄ったりである。生放送のリスクはここにも存在する。
かつて月曜日は「紅白歌のベストテン」が8時から、間1時間おいて、10時から「夜のヒットスタジオ」が放送されていた。ともに生放送である。基本的にリハーサルなどの拘束時間を考えるとこの2本に立て続けに出ることは難しい。それでも、あらかじめゲストの出演交渉やスケジュール調整できたので、まだこの頃は良かった。しかし、「紅白歌のベストテン」が「ザ・トップテン」になると、「夜ヒット」にランキング歌手が出られなくなってしまった。さらに、トップテンはゲストがランキングによって決まるため、「夜ヒット」のゲスト調整が難しくなってしまった。「夜ヒット」は名目上時間枠を拡大して曜日を変更したのだが、実質は月曜日から追い出されたと言うべきかもしれない。
(秀)
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