第474話 ■夜のヒットスタジオ

 つい最近、芳村真理の息子が警察沙汰の騒ぎをしでかしたが、同じような息子の不祥事騒ぎでも三田佳子のときに比べれば、マスコミの扱いは遥かに小さかった。これが芸能人の格というものだろう。ところで、芳村真理って、そもそもなんで芸能界にいる人なのだろうか(元はモデルだったらしいが)?。夜のヒットスタジオの司会以外で見掛けた事はないし、あの番組が終わってから、彼女を目にする事はなかったが、この間どんな事をして稼いでいたのだろうか?。何も本稿は芳村真理についてのテーマではない。

 閑話休題。略して「夜ヒット」と呼ばれたこの番組は実のところ、いつ始まったのかが私に分からないくらい、随分以前から放送されていたはず(確認の結果、昭和43年から始まっていた)。もう一人の司会者として、井上順を思い浮かべる人は多いと思うが、それ以前に前田武彦が司会を務めていた時期がある。また、調べたデータによると、前田武彦の後任が三波伸介だったらしい(私の記憶にはない)。

 さて、さて、この番組の特徴はリレー方式で歌を歌いゲストが登場して来る「マイクリレー」にあった。自分の次に出て来るゲストの曲を1フレーズずつぐらい歌い、簡単なコメントを付けて次のゲストにマイクを渡す。これを繰り返し、最後のゲストとなると既に登場を終えたゲスト達は一ヶ所に集まり、最後のゲストの曲にあわせてみんな同じ振り付けで踊っている。そこに、最後の人が自分の持ち歌を歌いながら現れ、1コーラス歌いあげる事になっている。他人の曲だからと歌詞やメロディを間違えるゲストが結構いた。

 この番組は月曜の夜10時からフジテレビ系で放送されており、同じ曜日には日テレ系の紅白歌のベストテン、ザ・トップテンもあって当時の月曜日は歌番組曜日だった。しかし、その後この番組は水曜日の2時間枠に移動し、タイトルも「夜のヒットスタジオDX」と変わったり、司会者も古館伊知郎を起用するなど、何度かのリニューアルを重ねた長寿番組であったが、この番組も音楽冬の時代の到来とともに、ブラウン管から消えてしまった。

(秀)