第561話 ■暑中お見舞い

 暑かった7月も終わり、いよいよ8月だ。もっと暑いのかもしれない。そう言えば、今年は6月から既に暑かった。こう暑いと、エアコンが売れたり、ビールが売れたりと景気を刺激するには好材料かもしれないが、ビール工場を見学した際に聞いた話によると、暑い夏は確かにビールが売れるものの、一年を通して見てみると、年間全体の売上は逆に落ちてしまうらしい。猛暑の年は秋から体調を壊す人が増えて、秋以降のビールの出荷に大きくブレーキが掛かるかららしい。今時分は秋の新製品を準備している頃なのだろうが。

 こう暑いと食欲も落ちるものだが、不思議と30を過ぎた頃から夏ヤセしなくなってしまった。別にビールでその分のカロリーを補ったりはしていない。数日前は週末に限って、涼しい日が続いた。かえって体調を崩した人もいたのではなかろうか。

 真夏日でありながらも、お天気キャスターは前日よりは気温が低いことを盛んに繰り返し伝えている。「どうせ暑いのには変わらないよー」、という人も多いだろう。しかし、38度だったものが真夏日とは言え、翌日31度になったとしたら、素直に喜ぼう。もっと分かりやすい例え話として、「38歳のかみさんが翌日31歳に若返っていたらうれしいだろう」、というのを妻に話した。もちろん叱られた。

(秀)