第564話 ■夏休み間近

 今年は数年ぶりに夏休みに帰省することにした。今週の後半から、休暇を取る。お金が掛かるので、一人で、しかも新幹線ということになった。特にこれと言った楽しみは無いが、食べ親しんだ懐かしい味を求めて、さまよう日々となるだろう。それと、高校の時の同窓会に出てこよう。

 ここ数日、通勤途中に向田邦子さんの「霊長類ヒト科動物図鑑」を読んでいる。エッセイ集だ。その中に「ヒコーキ」というタイトルの話がある。スチュワーデスは本当に微塵も怖いと思っていないのか、ある人がプロペラが回りだした途端、「降ろしてくれ!」と暴れだし、その人が降りた後に飛び立った飛行機はエンジンの不良で墜落してしまったのだが、その人は元戦闘機のパイロットだったという話が出て来る。

 向田さんもあまり飛行機は好きでなかったようだ。コミカルなタッチの話であるが、その後向田さんが飛行機事故で亡くなってしまうとは、何とも皮肉なことである。

 その影響というわけでもないが、今年は地を這って帰省することにした。たぶん連日暇なので、この間もコラムは休み無く続くと思う。

(秀)