第590話 ■台風接近中

 さて、さて、台風である。台風15号が接近中とあって、いつもより約1時間早く家を出て、何の影響もなく、無事会社に着いた。そして、このコラムを書いている。昨日の終業時に「明日は台風の影響で交通機関の混乱が予想されますので、いつもより早く出社しましょう」という放送を流していた。真に受けたのは私ぐらいで、まだオフィスは閑散としている。間もなく、通勤途中の同僚から「遅れます」という電話が掛かってくることだろう。会社でこのコラムをお読みの(台風の影響下にある)サラリーマン同志の皆さん、まずは無事でご同慶の至りである。

 学校はどうなのだろうか?。子供の通う学校では連絡網が回ってくるまで自宅待機となっている。この時間、うちの周りの子供のいる家庭では一斉に電話のトラフィックが増すことだろう。兄弟がいるところになると、お姉ちゃんの連絡網による話し中で、弟の連絡網が止まってしまうこともあるかもしれない。せっかちな親が連絡網を待てずに、学校に電話を掛けてきて困ると、教頭先生が話していた。こんなお母さんはその後、この情報を友達のお母さんルートに連絡網を無視して流してしまうため、余計に話し中になってしまう。ついでに話し込んだりして。登校したところで、誰もそわそわして授業どころではないだろう(結局、休校になった)。長女は休校や早帰りに備えて、給食の献立表を見ている。「このメニューなら給食がなくなったとしても大丈夫だ」ということらしい。何ともたくましい。

 雨戸を閉めたり、停電に備えておにぎりや缶詰で早めに夕食を済ませることも、ラジオや懐中電灯を用意するようなことなどもすっかりなくなってしまったが、何だかんだ言いながら、大人も子供も非日常を楽しんでいる。無事や所在の確認も携帯電話で簡単にできるようなご時世でもある。昔ほどの騒ぎではないのだろうが、この加減が非日常としてちょうど良いのかもしれない。

 これから台風はさらに首都圏に接近し、風雨もますます強まるらしい。今年2度目の台風騒ぎであるが、今回も先日同様、無事で通り過ぎていくのを願いたい。無事に帰れるかに既に私の関心は動いてきている。

(秀)