第635話 ■コロコロコミック

 私はかつて、雑誌好きの少年だった。小学生の間は、小学館の学年別学習雑誌(分かりやすく言えば、「小学○年生」)の他に、テレビマガジンかテレビランド、それに冒険王などの少年漫画雑誌を購読していた。週刊漫画雑誌では「チャンピオン」が、がきデカやマカロニほうれんそう、ドカベンなどを引っ提げ、絶頂期。これも毎週買っていた。

 そして、私が小学5年のときに「コロコロコミック」が創刊された。今ではこの創刊号が古本市場で数万円で売買されている。この創刊号を私は間違いなく買っていたが、その頃はモノ集めに興味がなかったので、すぐに捨ててしまったと思う。残念!。創刊号の大きさや厚さという体裁は現在の一まわり小さく分厚いスタイルとは異なり、普通の漫画雑誌の体裁だった。月刊になったのは創刊からしばらく経ってからで、最初は季刊で後に隔月刊→月刊となっていったと記憶している。

 やはり目玉はドラえもんである。500ページ強の雑誌の100ページがドラえもんの連載に割かれていた。ドラえもん以外にも藤子不二雄(当時はまだコンビで活動していた)氏のバケルくん、怪物くん、ハットリくんも連載されている。ドラえもんの長編劇場アニメの原作が先行掲載されたりもしていた。500ページで300円程度(確か320円という時期があったはず)とコストパフォーマンスが何よりもうれしかった。

 しかしもはやコロコロにドラえもんをはじめとした藤子氏の作品は一切載っていない。F氏の死去の影響によるものか、それにライバル誌の「ボンボン」の影響もあったのだろう。今は玩具メーカーとタイアップしたプロモーションメディアの色が濃い。応募券と指定された分の切手を送れば必ず手に入る「全員サービス」が好評なようだ。

 今日はコロコロコミック発売日とあって、朝から長男がそわそわしている。

(秀)