第636話 ■ナウなヤングにバカウケ

 死語の世界へようこそ。今時分、「ナウ」も「ヤング」も「バカウケ」も、そんな言葉を使う者はまずいない。ましてや一文の中にこれだけの死語を集めて話す奴は皆無だ。オヤジギャクのサブさ(きっとそのうちこの言葉も死語になるだろうが)に匹敵する、周りへの気まずさを生み出す、それが死語である。

 今ではもう使わなくなった言葉を大雑把に死語と言っているが、概ね3つのパターンがあると思う。その1つは社会環境の変化で使用しなくなった言葉。主に呼称が多い。例えば、背広、ビフテキ、オーバー(コートのこと)、アベック、ニューミュージック、ゴーゴーなど。

 2つ目はそもそも流行らなくて、即使われなくなってしまったもの。例はE電。国鉄がJRに変わる際にJR東日本が国電の後継の愛称を募集したが全く親しまれなかった。誰も「JR」と読んで何ら不都合を感じないし、ましてや「E電」は文字にすると座りが良くない。これ以外にもこの分野の例はあるだろうが、あいにくこれ以外は思いつかない。しかし、分類上は外せない。

 そして、多くの人が思い浮かぶカテゴリーが、流行遅れになった言葉としての死語であろう。だっちゅうーの、チョベリバ、ナウい、ニャンニャン、ブイブイ(言わせる)、ノリノリ、バリバリ、フィーバー、ゲロゲロ、バッチグー、バカウケ、ドッチラケ、ピチピチ。もっと古い言葉だと、モーレツ、ハッスル、なんてのもある。あ~、書いてて笑ってしまう。次の死語を探すのも楽しい。

(秀)