第640話 ■ウイルスがやって来た
我が家にウイルスがやって来た。コンピュータウイルスだ。新種の「W32/Aliz」というやつのようだ。その日に、コラムの読者から友人が被害に遭い、そのメールが自分に送られて来て、あやうく自分も感染しそうだったという内容のメールをもらっていた。会社の私のメールアドレスには毎日のようにウイルス対策ソフトメーカーから新種情報がメールで配信されて来る。しかし、そんなメールにいちいち目を通しているわけにもいかない。第一これまではそんなウイルスとは無縁の状態が続いていた。これまでも幾度となく、名だたるウイルスが猛威を奮って来たが、まず身近で見ることはなかった。もちろんソフトでの対策はこまめにやっている。
会社のものも含めて、3つのメールアドレスを使い分けている。その内の一つのプライベート用のメールを自宅のパソコンでダウンロードすると、3通のウイルスメールがやって来た。「あっ、来てる!」。まるで恋人からのメールか、Yahoo!BBからの開通通知を待っていた時のようにそわそわしている。ここで目的のメールに触れる前に、ワクチンファイル(定義ファイルやパターンファイルと呼ばれている)を更新した。
このウイルスの特徴は、1.(添付ファイルを開かなくても)そのメールを見るか、一覧から選んだだけでも発症する。2.発症すると、アドレス帳に登録されているメールアドレス宛てにウイルスをコピーし、メールで送る。3.メールの本文は「Peace」、これに「Whatever.exe」という添付ファイルが付くが、メールタイトル自体はあらかじめ用意された単語を組み合わせて付けているため、一目でそれと分かるメールタイトルがあるわけでなく、タイトルを見ただけではウイルスのメールであることが分かりにくい。4.InternetExplorerのセキュリティホールを利用したもので、OutlookやOutlook Expressで発症する。
添付ファイルを開かなくても、メールを見ただけで発症するとなるとワクチンソフトに任せるしか手がない。案の定、一覧から目的のメールを選択するだけでウイルス対策ソフトが感染の旨を告知した。その度にメールを削除。ワクチンソフトと読者からの事前の情報のお陰で被害には至らなかったが、送られてきた発信元のメールアドレスに心当たりがないのが気持ち悪い。無防備では被害者になると同時に加害者にもなるのがコンピュータウイルスであると、改めて思った。ご注意あれ。
(秀)
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